Publication
Science 346, 6207, 363-368 (2014)
Detection of T cell responses to a ubiquitous cellular protein in autoimmune disease.
Author
Ito Y, Hashimoto M, Hirota K, Ohkura N, Morikawa H, Nishikawa H, Tanaka A, Furu M, Ito H, Fujii T, Nomura T, Yamazaki S, Morita A, Vignali DA, Kappler JW, Matsuda S, Mimori T, Sakaguchi N, Sakaguchi S
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T細胞自己抗原の新規同定法を開発:自己免疫疾患の多くは、自己反応性T細胞が自己抗原を認識して炎症を起こすことで発症します。しかし疾患原因自己抗原の同定は技術的に困難でした。私たちは新しいT細胞自己抗原同定法を開発しました。まず病変関節から単離した1組のT細胞受容体(TCR)のみを持つレトロジェニックマウスが関節炎を発症することを確認後、そのマウスにB 細胞群を再構築し自己抗体を取得しました。その自己抗体は、マウス体内の1組のみのTCR を発現したT 細胞からT 細胞ヘルプを受けた結果産生されているため、当該TCR と同じ標的自己抗原を認識します。これを利用して、TCRの抗原認識の解析を直接行うことなく、T細胞の標的自己抗原の同定が可能となりました。この方法で同定した、関節リウマチの新規標的自己抗原RPL23Aは、全身に発現していました。全身に発現する抗原に対するT細胞応答が関節に限局した疾患の原因となる、というこの発見は、自己免疫疾患の疾患概念に見直しを迫るものとなりました。